パンヘッドを学ぶ
ビンテージと呼ばれるハーレーダビッドソンの中でも、一番人気があるのがパンヘッドだと言われています。1948年から1965年まで作られた、モダンとレトロが同居するパンヘッドについて紹介していきます。
パン=鋼のような形状をしたロッカーカバーが由来される呼び名
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日本で絶対的に支持される1948年式モデル「ヨンパチ」の魅力パンヘッドが世に送り出された1948年式モデルは通称「ヨンパチ」と呼ばれ、日本ではビンテージハーレーの中でも最も人気が高く、その理由として48年に発売されたパンヘッドはナックルのスプリンガーフォークをそのまま使用しており、49年以降はテレスコピックと呼ばれる現代風のグライドフォークに変更されたことが大きいと言われています。1948年式モデルの見た目からしていかにも古めかしいスプリンガーは、ビンテージ感たっぷりでそれがハーレーファンを魅了しているのです。 |
歴史的見地からもパンヘッドは非常に重要な意味を持つモデル49年にグライドフォークが採用されたのに続き、58年にはリアサスペンション式のスイングアームフレームが登場しました。それまではハードテイルと呼ばれるリアサスのないリジッドフレームが使用されていました。ハーレーダビッドソンはパンヘッドの時代に現代のモダンなモーターサイクルの基礎を固めったといっても過言ではありません。歴史的見地からしてもパンヘッドは非常に重要な意味を持つモデルと言えます。ちなみにグライドフォークとリジッドフレームのモデルを「ハイドラグライド」、リアサスが取り付けられたモデルを「デュオグライド」と呼びます。ヨンパチは別格として、パンヘッドの人気はやはりリジッドフレームのハイドラグライドに集中しているのが現状です。しかしながらデュオグライドは乗ってみるとわかりますが、本当に走り具合の良いバイクであることに驚かされます。長距離を走るのが好きな旧車ファンはデュオグライドに目を向けてみるのも良いかもしれません。 |
パンヘッドの歴史
1948年 |
1948年式モデルは通称「ヨンパチ」の誕生。
(ナックルのスプリンガーフォークをそのまま使用)
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1949年 |
ハイドラグライドの誕生(油圧式のテレスコピック式フォークの採用)
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1950年 |
吸気ポートの拡大によって、出力向上、55馬力になった
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1952年 |
ハンドシフトから、FL系としては初のフットチェンジに変更を受ける。
※1,000ccのELシリーズが生産中止 |
1955年 |
スポーツタイプのFLH1200が登場
※最高出力は60ps/5,400rpm、最大トルクは8.98kgm/3,200rpm |
1958年 |
デュオグライドの誕生。
※リアサスペンションをリジッドタイプから、ショックアブソーバーを装着した『スイングアーム』式に変更 冷却効果をあげるために、シリンダーヘッドのフィンを大きくした。 |
1964年 |
シリンダーヘッドのロッカアーム部への給油方法を大幅に変更。
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1965年 |
エレクトラグライドの誕生
※セルモーターが搭載されたため、”エレクトラ(キック始動ではなく、電気式での始動という意味)”となった。 |